2023-12-01 赤い糸 日々想うこと 高校生のJ君はその女の子に傘を貸しました。4月、桜舞い散る雨の午後です。 その傘は使い古しの傘で、広がりをまとめるバンドがちぎれていました。 しばらくして、傘が返されます。バンドのかわりに、赤い毛糸でくるりと結ばれていました。蝶々結びです。 彼は恋に落ちました。 後々、その女の子に聞くと、「それ結んだの、お姉ちゃんなんだよね」 思い過ごしも……。 この恋は、まわりを巻き込みすさまじい展開になることを、二人も、それを見守る友人達も、まだ知りません。